。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

 

第二章

『事件です』

阪神!?

 

スズメの鳴き声がして、閉じた瞼の裏に明るい陽の光を感じた。

 

 

「ん~……」

 

 

ごろりと寝返りを打って目を開けると、目の前に叔父貴の笑顔がドアップが!!

 

 

「…へ?……叔父貴?」

 

 

何が何だか分からず目をぱちぱちさせる。

 

 

「おはよう」

 

 

叔父貴はにっこり微笑みを浮かべてあたしの頭を優しく撫でる。

 

 

 

 

 

はっ!!!そうだった!!

 

 

 

昨日あたし叔父貴と一緒に寝たんだった―――!

 

 

 

キャ~~!!何か嬉しいような…恥ずかしいようなっ。

 

 

隣で叔父貴が顔を仰向けに向けると、ふわっと欠伸を漏らした。

 

 

切れ長の目の目尻に涙が溜まってる。

 

 

朝日に反射して涙の粒がきらっと光った。

 

 

 

 

あ……きれい……

 

 

 

 

ぼんやりと思いながらその姿に思わず見惚れる。

 

 

って言うか、叔父貴の寝起き……何度見てもちょっとエロい…

 

 

「どした?」

 

 

首を動かして再びあたしの方を見るとちょっと笑いながらあたしを見た。

 

 

「な…なんにも!」

 

 

そんな考えを読まれないようにあたしは慌てて答えた。

 

 

「あ、そうだ。俺枕がなかったからお前のアザラシ枕にしちまった。すまん」

 

 

叔父貴はそう言って頭の下に敷いてあったアザラシのぬいぐるみを取り出す。

 

 

叔父貴からもらったアザラシのぬいぐるみは、叔父貴の重みで形が崩れていた。

 

 

 

 

 

 

P.196


 

「あぁ!!あたしのアザラシがっ」

 

 

あたしはアザラシを抱き上げると、慌てて形を整えた。

 

 

「ホントにすまん」

 

 

起き上がりながら、叔父貴は深々と頭を下げた。

 

 

って言うか、寝るとき枕はちゃんとあったよな??

 

 

ちょっと大きめの枕で、あたしと一緒に使ってた筈…

 

 

一緒に……

 

 

何かその響きエロい!!

 

 

 

キャ~~~!!

 

 

考えただけで、身もだえしそうだった。

 

 

「ま、枕は?」

 

 

動揺をごまかしながらあたしは聞いた。

 

 

「あぁ、お前に奪われたからな」

 

 

そう言ってあたしの腕を軽く持ち上げる。

 

 

あたしの腕の中に枕がしっかりと抱きしめられていた。

 

 

どうやら枕を奪ったのはあたしだったみたいだ。

 

 

 

「あ、あはっ…!ごめんね」

 

 

「お前の寝るときの癖だよな。もう慣れたけど、昨日は首が痛かったんだ。だからこいつを借りたってわけ」

 

 

そう言ってあざらしのシッポをちょっと引っ張る。

 

 

叔父貴の枕になっていたアザラシはまだちょっと形がいびつだったけど、それでも何だか幸せそうに口を綻ばせていた。

 

 

「よし!決めた!!命名、お前は今日からマクラだ」

 

 

あたしはあざらしを抱っこすると、こいつに向かって口を開いた。

 

 

隣で叔父貴が笑っている。

 

 

「お前、すぐそうやって変な名前つけるのな。おもしれぇ」

 

 

 

何とでも言って。

 

 

どんなくださらないことでも笑って?

 

 

 

 

だってこんなに幸せな朝って今までになかったから―――

 

 

 

 

P.197


 

今日は土曜日。

 

 

リコんちに遊びに行く約束をしていたんだ。

 

 

時間を見ると結構ぎりぎりだった。

 

 

てか、もう11時かよ。あたし寝すぎ!

 

 

慌しく起き上がって、叔父貴と一緒に茶の間に行くと、タクをはじめとする組員たちが各々好きなことをやっていた。

 

 

その中にメガネの姿はない。

 

 

でも揃って出現した叔父貴とあたしを見て、みんな慌てて姿勢を正す。

 

 

「「「会長!お嬢!!おはようごぜえますっ」」」

 

 

「おはよう」

 

 

叔父貴が腕を組みながら優雅に挨拶をかます。

 

 

く~~~この威厳。この迫力!たまらんぜっ!

 

 

「お嬢、今日はお友達の家に行くんじゃなかったんですかい」

 

 

タクがまだパジャマのあたしを見て不思議そうに首を傾げた。

 

 

いっけね!出かける用意しなきゃ!!

 

 

「ごめん!叔父貴。あたし準備してくる」

 

 

 

慌しく居間を飛び出て、歯を磨き顔を洗うと、ドタバタと自室に行ってあたしは慌てて着替えを済ませた。

 

 

今日はデニムのミニスカートに、花柄のシフォンブラウス。靴はウェスタンブーツでいいか。

 

 

なんて考えながら居間に姿を現すと組員たちの視線が一気に集まった。

 

 

「お嬢!可愛いっす!」

 

 

これはいつものこと。組のもんはあたしが何を着ても大抵そんな風に褒めちぎってくれる。

 

 

嬉しくないわけじゃないけど、何ていうか慣れた?

 

 

ちらりと叔父貴を見ると、朝食中だった手を止めてあたしをじっと見つめている視線とばっちり目が合っちまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

P.198


 

「スカートちょっと短すぎやしないか?」

 

 

叔父貴はスカートの端をちょっと引っ張った。

 

 

ギャ~~~!!引っ張んなよ!

 

 

「そうですかい?若いんだし、お嬢は脚がきれいだし、出さなきゃもったいねぇですよ」

 

 

タクがにこにこしながら言う。

 

 

ってか、“脚がきれい”って普通に言うか!!まぁタクはそこそこのイケメンだし、女の扱いに慣れてっからな~。

 

 

「おい、タク。俺の可愛い姪を変な目で見るんじゃねぇ」

 

 

叔父貴が低い声で言うとタクにガン垂れている。

 

 

わ~っ!朝から穏やかじゃない!!

 

 

「って言うかメガネは?あいつどこ行ったの?」

 

 

あたしは話題を逸らすためにわざと明るい声で聞いた。

 

 

「メガネはキョウスケと朝早くから出かけていきやしたよ。キョウスケに渋谷を案内してもらうんだって言ってやしたね」

 

 

組員の一人が答える。

 

 

「へぇ、キョウスケと。そう言えばあいつら仲いいの」

 

 

あたしは茶碗を持ってごはんを食べている叔父貴を見て笑った。

 

 

「まぁ年も近いし、色々気が合うんじゃねぇか?」

 

 

叔父貴はあまり興味がなさそうにして箸を止めることがない。

 

 

「気が合うねぇ…まぁそうかもしれねぇな」あたしは机の上に頬杖をつくと両手の上に顎を乗せた。

 

 

「こないださ~、庭でもんじゃパーティーやったんだよ。そしたらメガネの野郎、気持ち悪いなんてほざきやがったんだぜ?キョウスケも拾われた当初はそんなこと言ってた。

 

 

もんじゃをなめんなよ!てな感じだよな~。あんなに旨いのに」

 

 

うん、うん。と組のもんが腕を組みあたしに同意する。

 

 

叔父貴はちょっと箸を休めた。ぴくりと眉が動いたけど、あたしは気にならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

P.199


 

「それにさっ。あいつら揃って野球は阪神だとかぬかすんだぜ?東京もんだったら巨人だよなぁ。阪神ちゃ虎だぜ!?虎っ!縁起悪いっちゃありゃしねぇ」

 

 

そうだ、そうだ!とまたも同意の声。

 

 

茶を飲んでいた叔父貴はブーっと吹きだしそうになっていた。

 

 

「叔父貴?」

 

 

びっくりしてあたしは叔父貴を見た。

 

 

叔父貴のきれいに吊り上がった眉が今度ははっきりとぴくりと動いたのを見逃さなかった。

 

 

「何動揺してんだよ~」

 

 

あたしは思わず笑った。変な叔父貴。

 

 

「叔父貴はどこだっけ?やっぱ巨人だよなぁ」

 

 

と言ってにこにこ顔で叔父貴を見る。当然“巨人ファン”って返って来ると思ってた。

 

 

「俺ぁ中日ドラゴンズだ」

 

 

気を取り直した叔父貴はすまし顔で味噌汁をすすった。

 

 

「へぇ、初めて聞いた。叔父貴って中日ファンだったんだ~」

 

 

そう言い終えて気付いた。

 

 

 

 

 

 

中日ドラゴンズ=龍

 

 

 

 

 

「ぷっ☆」

 

 

あたしは思わず吹き出した。

 

 

「何だよ?」

 

 

叔父貴が怪訝そうにちょっとあたしを睨む。

 

 

「叔父貴って可愛い☆」

 

 

 

ゲホッゴホッ!!

 

 

 

今度は味噌汁を喉に詰まらせたのか、叔父貴は盛大にむせこんだ。

 

 

 

 

P.200


 

 

「朔羅、お前これから出かけるんだろ?送ってってやるよ」

 

 

歯を磨いて、顔を洗いちょっと髪をセットして昨日のスーツに着替え終えた叔父貴があたしの頭を撫でながら口を開いた。

 

 

「え?いいよぉ。そんな遠くないし」

 

 

ても電車で20分はかかるんだよね。車だったら楽だけど…でも、これ以上叔父貴をあたしが連れまわすわけにも行かない。

 

 

何て言ったって叔父貴は“会長様”でもあるわけで。

 

 

「大人の申し出は素直に受け取っておけ。おい、マサっ。車を玄関につけな」

 

 

叔父貴は有無を言わさず、マサに車のキーを投げて寄越した。

 

 

「へい」

 

 

マサが慌てて走っていく。

 

 

「叔父貴、ありがとな」

 

 

「いいよ。可愛いお姫様の為だ。多少の寄り道ぐらいどうってことない」

 

 

お姫様……って言われるのは嬉しいんだけど…

 

 

車で送ってくなんて、召使いみたいじゃないか。

 

 

あたしにとって叔父貴は王子様がいいのに。

 

 

ちょっとふてくされるように唇を尖らせてると、

 

 

「何だ?気に入らなかったか?」と叔父貴が慌てて腰を折ると、あたしを覗き込んだ。

 

 

「ううん…そんなんじゃない」

 

 

正直顔を近づけられると、ドキリとしてしまう。

 

 

でも叔父貴はあたしのそんな緊張知らずに、あたしの両頬を手で包み込む。

 

 

「せっかく可愛いかっこして、かわいい顔してるのに、そんな膨れ面だったら台無しだぞ?」

 

 

可愛いかっこ?

 

 

「え?」

 

 

あたしは思わず顔を上げた。

 

 

「だって叔父貴スカートが短すぎだって…」

 

 

「ああ、そりゃあれだな。お前のそんな露出した姿を他の野郎に見せたくないってことだ」

 

 

 

 

キャ~~~!!!

 

 

 

叔父貴の甘い言葉にあたしを頬を真っ赤にした。

 

 

やっぱ大好きだ!!!!

 

 

 

 

 

 

P.201


リコの家は車で30分程で着いた。

 

 

白い壁にチョコレート色の屋根が乗っている、洋風の可愛いおうち。

 

 

ここがリコの家だ。

 

 

 

 

「朔羅~~~♪」

 

 

二階のレースがかかった出窓からリコが身を乗り出し、手をぶんぶん振ってる。

 

 

「リコ♪」

 

 

あたしはリコに笑顔を向けた。

 

 

「じゃぁな朔羅。また連絡する」

 

 

バタン!

 

 

ドアを閉めると同時に中から白い封筒のようなものが舞い落ちた。

 

 

何だこれ?

 

 

拾い上げると、裏面に“TOKYO CANCER CENTER”と書かれていた。

 

 

叔父貴は気付かずにちょっと笑顔だけ向けると、ゆっくりと車を発車させた。黒いセルシオが遠ざかっていく。

 

 

「叔父…」

 

 

呼びかけたと同時にリコが玄関から顔を出す。

 

 

「朔羅、おは~☆ってそんな時間じゃないか。あれ、朔羅の叔父さん??」

 

 

玄関からリコが出てくると走り寄ってきて、ついでに叔父貴のセルシオに目を向ける。

 

 

「うん♪送ってくれたんだぁ」

 

 

「はぁ~相変わらず優しいのね」

 

 

リコが羨ましそうにあたしを見て笑う。

 

 

この封筒どうしよう…?あたしは封筒に目を落としたけど、

 

 

「あ、そうだぁ。うち今お姉ちゃんとその彼も遊びに来てるんだ。ちょっと騒がしいかもしれないけど、ごめんね?」

 

 

「ううん。あたしは全然構わないよ。ってかお姉さん彼氏いたんだ~」

 

 

「もう付き合って三ヶ月だって~。いいな~彼氏がいて」

 

 

リコはそう言いながらあたしを家の中に促した。

 

 

まぁいっか、今度会ったとき渡せば。

 

 

そう思ってあたしはその封筒をポケットにねじ込んだ。

 

 

リコのお姉さんは2こ上で19歳の女子大生。リコに似て可愛くて元気なんだ♪

 

 

大学生とかになると彼氏って自然にできるんかなぁ。

 

 

そんなことを思いながらリビングに通された。

 

 

「あらあら朔羅ちゃん。こんにちは」

 

 

リコのお母さんがにっこり微笑みながら招いてくれた。

 

 

白いレースのエプロンが似合う優しくて、可愛いお母さん。

 

 

あたしにはお母さんがいないから、リコがちょっと羨ましかったりする。

 

 

 

P.202


 

「朔羅ちゃんこんにちは~」

 

 

ソファに座ったお姉さんがあたしに笑顔を向けた。

 

 

「こ、こんにちは」慌てて頭を下げると、お姉さんの隣に座ったこれまた優しそうな男の人がにっこり微笑みを投げかけてきた。

 

 

「こ、こんにちは」

 

 

あたしが頭を下げると、「こんにちは」とにっこり微笑んでくれた。

 

 

柔らかそうな雰囲気とかちょっとメガネに似ている。

 

 

「リコの友達の朔羅ちゃん。可愛いでしょ♪」

 

 

お姉さんがあたしを見て、彼氏に向かって微笑んだ。

 

 

彼氏さんはちょっと笑って、お姉さんの方を見た。

 

 

 

 

 

何だろ…

 

 

二人の信頼し合って、好き合ってる気持ちがすごく滲み出ていて、二人の周りだけ何だかぽかぽか暖かい気がした。

 

 

そこだけ別世界のように、ほんのり輝いている。

 

 

いいな~……愛し合う二人の姿…

 

 

 

 

 

あたしはもう一度頭を下げ、「リコ遊びにいこっ♪」と二階を指差した。

 

 

お邪魔虫は退散するわね。そう思いながら、リコを引っ張る。

 

 

リコの部屋に入ってあたしはずるずると床にお尻をついた。

 

 

「は~緊張したっ」

 

 

「あ~、分かるっ!あたしも初めて会ったとき緊張したもん。でもいいよね~彼氏。あたしもいつか龍崎くんをうちに連れてきたいわ~」

 

 

ちょっと待て。何でメガネなんだよっ。

 

 

って、そう言えばリコはメガネのこと好きだったんだよなぁ。

 

 

モノ好きなヤツ。

 

 

「朔羅はどうなの?叔父さんと」

 

 

「へ?どうなのって?」

 

 

 

 

 

 

「だぁかぁらぁ!好きなんでしょ?叔父さんのこと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.203


 

「へ?えぇ!!」

 

 

あたしはびっくりしてリコを見た。

 

 

だってリコにも誰にもあたしの気持ち言ってないよ。

 

 

あ。メガネは知ってるか。っていうか誘導尋問に引っかかったって言うか…

 

 

「見れば分かるよ~。だって朔羅、叔父さんから連絡があったらいっつも嬉しそうにしてるんだもん」

 

 

「で、でも叔父貴だよ?血縁者だよ?」

 

 

あたしは慌てふためいて手を振った。

 

 

「いいじゃん♪あんなにかっこいい叔父さまだったらあたしが朔羅の立場でも恋に堕ちるって」

 

 

リコは能天気にケラケラと笑った。でも急に顎に手を当て何やら考え込む仕草をすると、

 

 

「これで千里は徹底的な失恋決定だね。だってあの叔父さまに勝てるわけないもんね」

 

 

「何で千里なの?」

 

 

あたしは苦笑いを漏らして聞いた。

 

 

「え~、だって千里朔羅のことめちゃくちゃ好きそうじゃない?」

 

 

「あー…あれは、単なる幼馴染だから。あたしを女として見てるわけじゃないよ」

 

 

あたしは、ないないといった具合で手を振った。

 

 

「はぁ~、千里かわいそ…」

 

 

リコは大げさにため息を吐いた。

 

 

いや、マジで千里はありえないから…

 

 

リコのお母さんがジュースとお菓子を運んできて、あたしたちは一旦話を中断。

 

 

お母さんが部屋を出て行くのを確認すると、リコは勉強机の本棚から分厚いマンガを取り出した。

 

 

「じゃ~ん!!買っちゃった☆」

 

 

リコはそう言ってマンガの表紙をあたしに見せた。

 

 

表紙には派手な色で“初カレ特集”と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

P.204


 

「初カレ特集?何これ?」

 

 

きょとんとしてあたしがマンガを受け取る。

 

 

リコは人差し指を「ちっちっ」と言って振ると、ちょっと意味深な笑みを浮かべた。

 

 

「これから夏だよ??初カレとプール言ったり海行ったり、遊園地行ったり。雰囲気が盛り上がって初チュー。そんでもって夏休みの一泊旅行…。初エッチってわけ☆」

 

 

キャ~~と叫びながらリコは顔を赤くした。

 

 

初チューに初エッチ……?

 

 

あたしは目を点にした。

 

 

「やぁだぁ朔羅~!そう言うことに全然興味ないの?」

 

 

「いや……興味は…あるけど……想像できないって言うか……」

 

 

「何で?あのステキな叔父さまとめくるめく夏の恋だよ??叔父さまは大人だから色々リードしてくれそう☆」

 

 

キャッと言ってリコは楽しそうに手を組んだ。

 

 

叔父貴とチュー……はした。

 

 

けど、その先は―――

 

 

 

 

 

 

ブーーーーー!!!

 

 

 

 

やっばい!!想像しただけでまたも鼻血が!!

 

 

あたしは顔を赤くして思わず両手で鼻を押さえた。

 

 

いやいや…そんなこと想像しただけでも鼻血を吹き出しそうなのに、もし!もしだよっ!!あくまで想像だけど、そういう場面になったらあたし持つのか??

 

 

「はぁ。あたしも龍崎くんとめくるめく恋をしたいわぁ」

 

 

リコがうっとりした顔でとんでもないこと言い出しやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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